【現役雑誌編集者が語る】編集の専門学校・養成講座のメリット・デメリット

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編集者になるためには事前に専門知識を学校で学んだ方がいいか気になりますよね?

結論から言うと編集者になるために専門学校に通うのは必須ではありません。ただし、予備知識があると一部の会社では役立つ可能性があります。

では、通うとどのようなメリットがあるのでしょうか?

この記事では、現役雑誌編集者のカイリーニが実体験を元に編集の専門学校・養成講座のメリットとデメリットを語ります。

目次

編集の専門学校・養成講座のメリット5つ、デメリット4つ

まず、メリット・デメリットを一覧にします。

メリット
  • 編集全般の知識を学べる
  • ライティングの基礎知識を学べる
  • インタビューの基礎知識を学べる
  • 本作りの工程を一通り体感できる
  • 就職先を斡旋してくれる
デメリット
  • 費用がかかる
  • 採用の際、専門学校に通っていたかを重視する会社が少ない
  • 実学で学べることの方が大きい
  • 学校で習った知識が役に立つとは限らない

メリット

それでは、メリットから一つずつ解説していきましょう。

編集全般の知識を学べる

編集の学校だから当然、基礎知識をしっかり学べます。日常の中で編集についてを学べる場所は皆無に等しい。つまり、業界に入る前事前に編集について学ぶには、独学もしくは、専門学校や養成講座に入るくらいしかありません。

事前に知識を身に付けたい、編集者がどういう仕事をしているか事前に知りたいという人には専門学校や養成講座は欠かせない存在になるでしょう。

ライティングの基礎知識を学べる

編集の学校の場合、ライティングの講座もあるのが普通。学校に入ることで書き方の基礎知識を学べます。おそらく座学に加えて課題の添削の時間もあるはず。

文章の上達のためにはとにかく書くことが大切。そして、書いた文章を添削してもらい見直す機会はものすごく貴重です。学校に通おうと考えている人は、添削の時間をうまく活用してください。

インタビューの基礎知識を学べる

実生活でインタビュー取材を行う機会はほとんどありません。だから、事前にインタビューを経験するのはすごくいいことだと思います。

学校の場合は、マンツーマンの指導というよりも大抵グループワークになるはず。他の人のインタビューの様子も見学できるので、すごくためになります。しかも、学生だから失敗して当たり前の雰囲気だから慣れるにはピッタリ。編集者からしてみたら天国のような機会です。

本作りの工程を一通り体感できる

カリキュラムの中に学生誌制作が入っているところが多いです。だから、入れば自然と本作りの流れが分かります。これは編集者になる前の大きなアドバンテージになります。

編集者って、相手が新人だとしても「本作りの流れくらい知っているでしょ?」くらいのノリで話をする人もいるので、そういう人たちの会話にもついていけるようになります。

本作りの工程を経験すると、編集者の仕事内容を理解でき、本当にこの仕事が自分に向いているかも判断できるようになります。正直、本を作りたい、本に関わりたいと思って編集職を希望していても、具体的に何をするのかをきちんと分かっている人は非常に少ないのが現状。入学時にある程度理解できている人を数えたとしても5%以下だと思っています。

だから、編集者の仕事を把握して、自分に向いているか判断できる場というのは大きなメリットになるでしょう。

就職先を斡旋してくれる

これも大きなメリットの一つ。特に、学校法人の専門学校は就職率を重視しているので、就職先を斡旋してくれるでしょう。入りたくても門戸が狭いのが編集業界。自分で探し出して応募するバイタリティーのない人には背中を後押ししてくれる存在になると思います。

ただ正直、専門学校の持っている就職枠は大したことがありません。斡旋されるケースのほとんどが小規模出版社か編プロだということは事前に知っておきましょう。

デメリット

次にデメリットを紹介します。

費用がかかる

相手もビジネスで行っているから当然、費用が発生します。講座や養成所だと年間10〜50万くらい、専門学校だと100万弱掛かるのが一般的でしょう。中には文系大学の学費を超えるところもあります。

教育は自己投資であり、未来のために…と思えば安くはないかも知れませんが、その価値があるか事前にきちんと見極めることが必要です。卒業(講座終了)までに生徒が半分いなくなったというのは、専門学校のあるある話です。学校側は授業料が入ればやめてもらっても何ら問題ありません。

採用の際、専門学校に通っていたかを重視する会社が少ない

以前こちらにも書いた通り、出版社に入社するなら大卒が基本。ということは新卒入社する際は専門的な知識は不要ということです。当然、専門学校に通っていましたと言ってもアピールポイントにはなりません。

あえて言うなら「大学とダブルスクールで通っていました」というケースならやる気があるとみなしてくれるかもしれませんが、それも大卒の資格を持った上でのこと。

専門学校卒でも受け入れてくれるのは、小規模出版社の一部か編集プロダクションくらいです。

実学で学べることの方が大きい

学校での勉強よりも、実学から学ぶ方が身に付くしためになります。同じ時間をかけるなら、実地に出た方が編集者としてのスキルが高まるでしょう。個人的には、現場を経験して編集者としてのスキルが足りないと思った時に講座などを選択するのはありだと思います。具体的に何が足りないかを自分で把握しているので、より効率的に学べます。

学校で習ったことが役に立つとは限らない

これを言うと元も子もありませんが、誌面によってテイストが違うので、学校で習ったことが正しいとは限りません。

さらに言うと通常学校の講師をしているレベルだと編集者としての能力は高くない。なぜなら、本当に能力が高ければ、教育側ではなく今も現場にいるはずだから。もちろん例外はありますが、残念ながらこれが専門学校の現状です。

まとめ

まとめると、専門学校に通うメリットとデメリットは以下になります。

メリット
  • 編集全般の知識を学べる
  • ライティングの基礎知識を学べる
  • インタビューの基礎知識を学べる
  • 本作りの工程を一通り体感できる
  • 就職先を紹介してくれる
デメリット
  • 費用がかかる
  • 採用の際、専門学校に通っていたかを重視する会社が少ない
  • 実学で学べることの方が大きい
  • 学校で習った知識が役に立つとは限らない

初めにも挙げたように、編集の学校に通うのは必須ではありません。

大手を目指すなら、その分大学受験に力を入れるといいでしょう。どうしても編集者になりたいと思うなら、アルバイトから出版社に飛び込むのも選択肢の一つ。

あえて専門学校を勧めるとしたら、編集者になりたいとは思っていてもどんな仕事か分からないから躊躇している人、編集者として力不足を感じていて基礎から編集を学び直したいと思っている人。この2タイプの人は検討する余地があるでしょう。

専門学校や養成講座に通うかどうか迷った時は、この記事のことを思い出して自分の進路を慎重に決めてください!

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