インタビュー取材のコツ9選【現役雑誌編集者が教える】

ライターや記者、編集者になる際、最初に立ちふさがる壁がインタビュー取材です。原稿制作だと締め切りさえ守れば、その間はいくらでもやり直し可能ですが、インタビューだと本番一発勝負。失敗したらやり直しがききません。

これまで自分は、ライターのインタビュー取材に200回以上同席していますし、自らも1000回以上インタビュー取材を担当してきました。かなり経験値を積んでいるせいか、他の編集者・記者と比べてもインタビュー取材は上手な方だと思います。

ということで今回は、その経験で見出したインタビュー取材成功のコツをご紹介します。紹介する項目すべてを自然にできるようになれば、あなたのインタビュー力は格段に向上しているでしょう。

目次

インタビューの基本は「取材相手との対話」

インタビューがうまくなりたいなら、絶対に押さえてほしいことが一つあります。それは、インタビューは取材相手との対話であるということ。対話である以上、絶対に相手の話をしっかり聞き、そこから話を展開することを忘れないようにしてください。自分で聞きたい質問を投げかけるだけの一方的なインタビューをしてはいけません。

新人だけではなく、ベテラン記者でも、意外と想定した質問を投げかけるだけで、インタビュー中の対話を拒否している人は意外と多いです。インタビューの基本は、「取材相手との対話」。これを意識するかしないかだけで、インタビュー力の伸び方が変わります。どのコツを実践する場合でも「取材相手との対話」であるということは忘れないようにしてください。

インタビュー取材のコツ9選

それでは早速、インタビューを成功させるためのコツを教えましょう。全部で9個あります。

インタビュー準備
  • 取材対象者の経歴を調べる
  • 取材で聞きたい質問事項を事前にまとめる
  • インタビュー用の雑談ネタを仕込んでおく(応用)
インタビュー開始前
  • 取材対象者と同行者にきちんとあいさつをする
  • インタビューに入る前の準備の時間をうまく使う
インタビュー中
  • インタビューの時間配分を考える
  • 相手の目を見て話すようにする
  • 相手の話をしっかり聞いて、会話の内容にふさわしい質問をその場で考える(応用)
  • 質問の流れを自然にする(応用)

次から、各項目を詳しく解説していきます。

インタビュー準備

インタビューの良し悪しは、準備期間に何をするかでほとんど決まります。特に初心者の頃は、準備に時間を掛けないとうまくいきません。では、具体的に何を行ったらいいかをご紹介します。

取材対象者の経歴を調べる

取材をするなら当然のことですが、相手がこれまで何をきたのか、今何をしているのかを徹底的に調べましょう。フリーで取材を受ける場合、専門外のことでもインタビュー取材を担当することもあります。そんな時に予備知識無しで臨んだらどうなるか…想像しなくても分かりますよね。

特に初心者の頃は、きちんと相手の経歴を調べてからインタビューに臨むようにしてください。

できることなら、取材相手のことが好きになるくらい徹底的に調べるといいでしょう。インタビュイーの著書だけではなく、HPやSNSなど、ネットで検索すれば情報はいくらでも得られるはずです。ここにどれだけ時間を掛けるかで、質問自体のクオリティーや記事の内容の濃さなどが劇的に変わってきます。

時間は有限ですが、可能な限り事前のリサーチに時間を割くことをおすすめします。事前にいろいろなことを調べることで、質問事項もたくさん出てくるようになるでしょう。

取材で聞きたい質問事項を事前にまとめる

こちらも経歴を調べることと並行して行いましょう。質問順を1から決めるのではなく、事前に

  • 必ず聞きたいこと
  • できれば聞きたいこと
  • 話題に困ったら聞きたいこと

の3種類にカテゴリー分けすることをおすすめします。インタビューの基本は対話ですが、最初のうちは、スムーズにインタビューするのはほぼ不可能なので、必ず聞きたいことを優先的に質問してください。

  • できれば聞きたいこと
  • 話題に困ったら聞きたいこと

上記の2つは後回しにして構いません。事前に質問内容をカテゴリー分けしておけば、最低限聞くことが明確になりますし、最悪、インタビュイーと気まずい雰囲気になろうが、その項目だけ答えてもらえれば記事も書けます。

とにかく一番ダメなのは、相手から何も聞けずに記事を書けないこと。それを避けるために何を聞かなきゃいけないか、取材前に質問項目をきちんと整理しましょう。

そして、質問事項がまとまったら、取材時に使うメモなどに記載しておきましょう。

インタビュー用の雑談ネタを仕込んでおく

こちらはある程度インタビューに慣れた人に送るコツ。ある程度こなせるようになったら次に高めたいのは雑談力です。取材相手によって時間配分は違いますが、雑談が0というケースはほとんどありません。インタビューがうまい人は皆、雑談が上手です。

でも、急に「雑談としろ」と言われてもなかなか難しいでしょう。そのために雑談用の事前資料を作ります。

  • 趣味
  • 最近ハマっていること
  • 出身地
  • 好きな音楽
  • 好きな映画

上記は一例ですが何でも構いません。インタビュイーの事前リサーチができていれば、いくらでもネタは出てくるでしょう。

「最近、インスタで〇〇をよく投稿されていますが、〇〇がお好きなんですか?」

など、インタビュー中にうまく雑談を挟めれば完璧。話が盛り上がり、取材相手も気持ちよくインタビューを終えることができます。周りからも「この人、話が上手だな」と思われますよ。

インタビュー開始前

準備を完璧にして、いよいよ本番当日。インタビューが始まる直前でも、気を付けることがあります。インタビュー前から取材は始まっています。出だしから躓かないように、以下の2つのことを心掛けましょう。

取材対象者と同行者にきちんとあいさつをする

「当たり前だろ!」という突っ込みがくるかもしれませんが、緊張のせいか意外とできていない人が多いんです。インタビュー前はもちろんのこと、インタビュー後もきちんとあいさつをしましょう。

できれば相手が引かない程度に、笑顔で元気良く。取材前のあいさつからインタビューが始まっているのをお忘れなく!

インタビューに入る前の準備の時間をうまく使う

意外と油断しがちなのは、取材対象者とあいさつをしてから実際のインタビューに入る前の準備時間。取材用の資料とレコーダーを用意するまでの間、あなたは何をしていますか?

準備に一生懸命で何もしていないという人は非常にまずいです。準備中もインタビュー取材だと思い、会話を始めましょう。その際、先ほど挙げた事前に調べた雑談ネタを使うのも有効だと思います。

インタビュー中

準備を完璧にして、インタビューの出だしもスムーズにいったら、あとはインタビューを成功させるだけ。インタビュー中は、頭をフル回転させているから余裕がないと思いますが、下記の4点だけは忘れないようにしましょう。特に、前半2つは超重要。後半2つは最初のうちは難しいかもしれませんが、頑張って実践してみてください。

時計を確認してインタビューの時間配分を考える

おそらく、インタビュー取材中は緊張するでしょう。感覚がマヒして、あと何分くらい時間が残されているのか分からなくなると思います。そんな時に便利なのが腕時計。

インタビュー前とインタビュー中に時間を確認して、頭の中で絶対に聴きたい質問の内容と残り時間を逆算しましょう。当日混乱しそうなら、事前にシミュレーションしてもいいかもしれません。

腕時計を含め、取材時に必要なものを別記事にまとめています。気になる人はこちらの記事もご覧ください。

相手の目を見て話すようにする

慣れないインタビューで緊張すると質問事項が飛び、確認のためについ取材用のメモを見てしまう…。その気持ちは分かりますが、できるだけメモを見る回数を減らしましょう。取材相手の気持ちになって考えてみてください。相手の目を見て真剣に話をしているのに、質問者の目線はずっとメモばかり…これでは、相手の気分が乗りませんよね。

また、年配のライター・記者に多いですが、取材ノートに相手の言ったことを必死にメモをする古き良き取材方法を採用するのは、個人的にやめた方がいいと思います(囲み取材とかは別ですが…)。

今はボイスレコーダーで手軽に音声を記録できる時代です。先ほど大前提でも挙げたように、インタビューの基本は相手との対話。話をちゃんと聞いている姿勢を態度で示すためにも、できるだけ相手の目を見て話してください。その方が親身になって話をしてくれるはずです。

相手の話をしっかり聞いて、会話内容にふさわしい質問をその場で考える

ここからはインタビューに少し慣れた人向けの応用編。インタビュー取材の醍醐味と言えばこれです。想定した質問だけ聞くのも悪くありません。でも、相手の話を深く掘り下げると、思いもしなかった面白い話を聞けることがたくさんあります。

個人的な意見かもしれませんが、質問の大枠だけを決めて、あとはその場で必要だと思うことについて詳しく話を聞くというスタイルがインタビュー取材の理想だと思っています。ただ、頭をフル回転させることになるので、いきなり実践しようとしてもまず失敗するでしょう。まずは相手の話をちゃんと聞いて、話に沿った質問を一つくらい投げかけられるようにしましょう。これを意識するようになると、インタビュー力が格段に向上します。

予定していた質問だけではなく、会話の中で生まれた疑問をぶつけると、相手も話しがいがあって喜んでくれると思いますよ。

質問の流れを自然にする

何度も繰り返しますが、インタビューの基本は、取材相手との対話です。日常の会話と同じように質問の流れを考えましょう。質問を切り替えるタイミングは非常に大切です。話の流れを意識して質問してください。

ちなみに、質問を変えるタイミングは時と場合によって異なりますが、次の3パターンの時をおすすめします。

  • 次の質問につながるキーワードを相手が言った
  • 同じジャンルまたは似たようなテーマの話をしている
  • 質問の内容と何かしら共通項のある話をしている

相手が気持ちよく話をできるように…ということを基本に据えるとうまくいきます!

会話の流れに注意して質問を選んでください。

まとめ

まとめると、以下の9つのことを自然にできるようになれば、「インタビュー取材を安心して任せられる記者・編集者・ライター」としてクライアントからの信頼も得られるでしょう。

インタビュー準備
  • 取材対象者の経歴を調べる
  • 取材で聞きたい質問事項を事前にまとめる
  • インタビュー用の雑談ネタを仕込んでおく(応用)
インタビュー開始前
  • 取材対象者と同行者にきちんとあいさつをする
  • インタビューに入る前の準備の時間をうまく使う
インタビュー中
  • インタビューの時間配分を考える
  • 相手の目を見て話すようにする
  • 相手の話をしっかり聞いて、会話の内容にふさわしい質問をその場で考える(応用)
  • 質問の流れを自然にする(応用)

「実践したけど、どうしても緊張してうまくいかない」という場合、駆け出しの頃限定でインタビューを簡単にする魔法の言葉があります。

それは「実はインタビュー取材が初めてなんです。だから、すごく緊張しています」と相手に素直に伝えてしまうこと。

取材慣れしている人だと事情を察して、いつも以上に親身になって答えてくれると思います。必要以上に自分を大きく見せて大やけどするよりは、時には素直になることも大切です。もちろん、クライアントのいる取材の場合は、事前にそのことを相手に伝えていいか聞くことを忘れずに。

今回ご紹介した9つのコツを実践して、インタビューが得意になった!という人が増えたら幸いです。

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