一昔前、週刊誌やワイドショーなどでは、著名人のギャランティーが取り上げられ、数十万〜数百万円と高額な金額を目にした人も多いと思います。
にもかかわらず、どのエンタメ雑誌を見ても各ジャンルの有名人が毎月たくさん掲載されています。出演料が高額なのに、なぜこんなことが可能か気になりますよね?
今回は現役エンタメ系雑誌編集者が出演料の仕組みを解説します。
結論をいうと、プロモーション扱いで無料、もしくは無料同然でブッキングできるから。
上記を詳しく理解するためにも、まずはエンタメ業界の著名人たちの仕事の仕組みを解説したいと思います。
エンタメ系著名人の2種類の仕事
版権使用料、出演料、イメージキャラクター契約料等、エンタメ系の有名人はいろいろな形でお金を生み出しますが、彼らの仕事の種類は大きく分けて2つあります。
- プロモーション
- 営業
この2つのどちらに該当するかによって、ギャランティーは大きく変わります。
プロモーション
プロモーションは文字通り、著名人を売り込むための広報・宣伝活動のこと。さまざまな媒体に登場しない限り、多くの人にその存在を知らせることはできません。つまり、有名人にとってマスメディアは、無料でも出たい存在になるのは当然と言えます。しかも有名メディアになればなるほど、影響力は大きく、たくさんの著名人を格安で集められます。
通常、プロモーション協力と名前が付く場合は、著名人とともに何かその時期に宣伝したいものを一緒に紹介することが多いです。
歌手やアーティストなら新曲
作家なら新刊
俳優なら出演中の映画やテレビドラマ
雑誌やテレビなどを改めてよく見てみてください。著名人のメディア露出が増える場合、上記に当てはまるケースが多いことに気が付くと思います。
プロモーション扱いとなる場合、出演料は格安もしくは無料となるのが普通です。
営業
一方、営業はお金を生み出す仕事。CM、企業のイベント、講演会など、有名人の活躍するジャンルにもよりますが、お金を取るべき仕事とみなされる場合、営業案件となって、高額なギャンティーがかかります。ここで「タレントのテレビ出演料が高額なのはなぜ? メディアはいい宣伝の場所でしょ?」という疑問も生まれてくるかもしれません。それには答えがあって、正解はタレントにとってテレビの出演は営業案件に該当するから。もちろん、番組とは関係のない映画の宣伝、書籍の宣伝等、プロモーション扱いで出演する場合は、通常とは違う金額で仕事を引き受けます。
最初の話に戻りますが、雑誌メディアの場合、通常はプロモーション扱いで受けてもらえるため、著名人を取材する際のギャランティーはかからない、もしくは小額であることがほとんどです。
だから、弱小の媒体であっても著名人が出ていたりするケースもあるんですね。ただし、著名人側も出たい媒体を選ぶ権利もあるので、あまりに小さいメディアの場合、プロモーションにならないと思われて断られるケースもありますが…。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
もう一度復習すると、
雑誌に著名人を出せる仕組みは、プロモーション扱いで無料、もしくは無料同然でブッキングできるから。
取材相手にプロモーション価値があると思わせるために、売り上げ部数などを増やして、媒体の力を上げていかないといけません。
今回は雑誌に著名人が出る仕組みを解説しました。今後も、普段生活しているだけでは知り得ない業界ならではの裏話もご紹介していきたいと思います。
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